GEヘルスケア・ジャパン - エッセイ大賞

20th Essay

第20回GEヘルスケア・エッセイ大賞 結果発表!

今年20回目を迎えたGEヘルスケア・エッセイ大賞では、「『患者力』を鍛えよう〜患者が変われば医療が変わる」をテーマに、国内外から計271編のご応募をいただきました。医療関係者、学生、主婦、会社員や定年後の方々など、20歳から81歳までの幅広い職業と年代層からの応募があり、医師や医療機関に任せるだけでなく、患者自らが安心して納得できる医療を受けることに対する意識の高まりを表す結果となりました。
厳正なる選考を重ねた結果、大賞に阿部松代さんの「同志」が、優秀賞には本多直美さんの「彼女の言葉」が選ばれました。たくさんのご応募ありがとうございました。
なお、受賞作品は、11月12日発売『AERA』にて全文掲載されました。

大賞 阿部松代さん

優秀賞 本多直美さん

審査員講評

「斬新な提言」

渡辺 淳一作家 渡辺 淳一

 今回はテーマのせいか、患者体験のある人からの応募が多かったようである。それだけに内容は切実で、説得力もあったが、患者さんを持った身内の人や介護する側からの応募が少なかったことが、いささか残念であった。
大賞となった阿部松代さんの「同志」は、まず患者自身が自分の症状を医師に的確に伝えることが大切で、それにより医療関係者と同志になるべきだと訴え、新しい患者像を具体的に示している。
優秀賞となった本多直美さんの「彼女の言葉」は、自分で治ろうとする患者さんの治療体験を、女医の視点から記してユニークで示唆に富んでいる。

「視野を広く「患者力」をとらえる」

岡崎 満義元 文藝春秋取締役 岡崎 満義

 大賞になった阿部松代さんの「同志」には、視野広く患者力を考える姿勢を強く感じた。足のむくみをインターネットで調べた薬で治したり、子宮筋腫で入院した母の隣のベッドにいる30代の女性の生活から、医師とのつき合い方を深く学んだり、子供の頃の医師とかわした会話を思い出して、患者としての自覚とは何かを反芻したり、いわば五感をフルに働かせての患者力追求に見えた。

優秀賞の本多直美さんの「彼女の言葉」は、難治性の腎疾患の16歳の少女との出会いから始まる、一人の若い女医の生々発展の記録である。「自分の病気も一緒に抱きかかえて立ち上がれる力を育てて欲しい。共に歩もう」という力強く温かい言葉に、励まされる人は多いだろう。

「数多くのすばらしい作品に感銘」

熊谷 昭彦GEヘルスケア
代表取締役社長
熊谷 昭彦

今年もたくさんの応募を頂き大変うれしく思っております。大賞を受賞なさった阿部松代さん、おめでとうございます。この作品の「同志」というタイトルに大きなインパクトを感じました。「患者力とは患者だからこそわかることを最大限生かす力」という提言が非常に説得力がありました。ご自身の様々な体験や観察をもとに患者が自分自身でも病気を治そうとする気持ちの大切さを素直で正直な表現で書いていただいたところがとても良かったと思います。優秀賞を受賞なさった本多直美さん、大変感動的な作品を有難うございました。涙がボロボロ出ました。難しい判断を自分でくだした患者とその気持ちを尊重した主治医である作者との心のつながりに感動を覚えました。「ここで治療を続ける。」 「わかった。」この短い2行を何度も繰り返し読みました。

今回受賞の二作品をはじめ、皆さんからの数多くのエッセイを拝読しながら、強い患者力の重要性を改めて痛感しました。

「両受賞作に共通していた「同志」」

渡邉 温子GEヘルスケア
バイオサイエンス(株)
代表取締役社長
渡邉 温子

「私がもし闘病を必要とする患者になったら、これほど前向きに考え行動できるだろうか?」というのが最終選考に残った作品を読み終わった後、最初に感じたことでした。 その中でも大賞となった「同志」は、作者や作者の周りでおきた体験を通して生まれた「患者だからこそわかることを最大限に生かして、医療関係者と同志になって治療を選択していこう」という力強く前向きな提言がとても素直に心に残る作品でした。次点の「彼女の言葉」は、医者である作者が「同志」となった患者との関係をもとに綴られており、医療関係者としての視点でとらえた説得力のある内容であると感じました。今回、偶然にも両受賞作に共通していたKey word は「同志」でした。

「経験を背景にした説得力」

渡辺 淳一GEヘルスケア
ファイナンシャル サービス
ゼネラル マネージャー
辻川 博至

 今回の「患者力」という難しいテーマを前向きに受け止めた、読み応えのある作品が多かったと感じています。医療分野に携わる者として思いを強くしました。
大賞に輝いた阿部松代さんの「同志」は、力作揃いの中でも特に著者自身の経験を背景にした説得力がありました。初診の時、医師に自分の症状をうまく説明できなかったことを反省し、「私が『藪患者』だったのだ」と気づいた著者は、自分の病気を医師まかせにせず、能動的にかかわって、「治すのは自分」という意識が大切だという主張をテンポよく展開しています。医者と患者は「同志」だ、というわかりやすい表現で、患者自身のあり方を強く訴えかけた作品でした。

最終選考作品

最終選考にノミネートされた作品を掲載します。

氏名 (ペンネーム) タイトル
外野 広和 患者の品格
鶴舎 範子 現代医療の中で生きる患者力を考える
納賀 良一 “がん(病)” から学ぶ、 賢い患者像を目指して。
高木 知道 3分を5分にして医療改革
尾首 彰一 飼い犬は軽く噛むのです
匿名 患者のプロ
福永 美幸 私の主治医は私自身
鍋田 久子 主治医への信頼は医療への信頼
森 雅博 弱者の力
中村 美香 私、ガンになっちゃった!
匿名 医療コーディネーターの設置を
藤井 規子 名医に出会うために
鈴木 智子 私の「患者力」
田原 毅 患者と医師は殴りあえ
  (敬称略・順不同)